『日本3.0』2020年の人生戦略|佐々木紀彦【書評】

2020年といえば、日本人にとっては、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるとのことがあり、日本人にとって一つの希望の年です。しかし、その一方で、日本の国家、経済、働き方、あらゆるものが一変する節目の年でもあります。

今の日本は、70年周期で回っていると言われていますが、明治維新から敗戦までの「日本1.0」、終戦から現在までの「日本2.0」、そして2020年から始まる新たな時代である「日本3.0」。「日本3.0」時代は、今までの日本人の常識が一変すると言われています。

そうした新たな時代を迎えるにあたって、次なる日本を支える20代、30代に送られた一冊をご紹介いたします。どんな人たちが2020年以降活躍することができるのでしょうか。どんな能力を身につければ「日本3.0」時代を生き抜くことができるのでしょうか。

今話題の一冊で、20代、30代の社会人必読書をご紹介いたします。

日本3.0 2020年の人生戦略|佐々木紀彦

今回ご紹介する本は、今話題のキュレーションアプリであるNewsPicksの編集長を務める佐々木紀彦さんの注目の一冊である「日本3.0 2020年の人生戦略」です。

佐々木紀彦さんは、東洋経済オンラインの編集長を務められたことも著名で、今はNewsPicks編集長として、日本のビジネスパーソンに向けて多数の情報を発信しています。

本書は、2020年の東京オリンピックは、「日本2.0」時代を支えた団塊世代の卒業式となり、新たな「日本3.0」時代がやってくることを示唆しており、「日本3.0」時代のキーワードは「移動」と「下克上」だと言います。

団塊世代にはまだまだ元気な方が多いですが、東京五輪が終わると、さすがに「若い世代にすべてを譲ろう」という境地に至るのではないでしょうか。

そうして「戦後日本」が終わり、新しい時代、「日本3.0」が始まるのです。

佐々木紀彦|日本3.0 2020年の人生戦略

若い世代の下克上が起きる2020年からの新たな時代ですが、「日本2.0」の旧来のやり方、考え方、能力では「日本3.0」時代は生き抜くことができません。

「日本3.0」時代を生き抜く必読書です。

日本では、街は安全で、ご飯はおいしく、経済の低迷が続いているとはいえ、世界の中ではまだ相対的に豊かです。しかしながら、そんな平和な時代もついに終わりを告げようとしています。安寧の日々が続くのもせいぜい2020年まで。それに前後して、日本にはほぼ確実に修羅場が訪れます。数年に一度のものではなく、数十年、大げさにいえば、100年に一度といってもいいインパクトのあるものとなるでしょう。

(中略)

2020年前後から始める「日本近代の第3ステージ」、通称「日本3.0」は、これまでとは全く異なる思考、システム、人を必要とします。

佐々木紀彦|日本3.0 2020年の人生戦略

日本3.0とは

著者の佐々木紀彦さんは、「日本1.0」は、明治維新以降の明治改元(1868年)から敗戦(1945年)に至るまでの近代を指しています。

それに続く、「日本2.0」は敗戦から、2020年までを指しており、戦後の焼け野原から、アメリカに次ぐ世界第二位の経済大国にまで上り詰め、バブル崩壊後、衰退の道を歩んでいる現代です。

「日本1.0」「日本2.0」の始まりを見ればわかるように、古い時代の終わり、新しい時代の始まりには、何らかの”革命”が起きています。

佐々木紀彦|日本3.0 2020年の人生戦略

日本の近代史は70年周期で回っていると言われ、70年周期説は本書の佐々木紀彦さんのみが述べていることではなく、日本のトップマーケッターである神田昌典さんも2012年のAmazonビジネス書・自己啓発書部門で年間売り上げ1位を獲得した『2022―これから10年、活躍できる人の条件』の中でも述べられておりますし、社会学者で京都大学名誉教授の竹内洋さんはこうした70年毎の大きな日本の変化を「ガラガラポン革命」と名付けています。

神田昌典さん、竹内洋さん、そして佐々木紀彦さんは、共に2015年から日本では大きな変化が起き始めており、「第3のガラガラポン革命」が起きると言います。

「第1のガラガラポン革命(1868年)」と「第2のガラガラポン革命(1945年)」は、およそ70〜80年の周期で起きています。その法則を当てはめると、敗戦70周年の2015年は、「第3のガラガラポン革命」が始まる節目になるのではないか

佐々木紀彦|日本3.0 2020年の人生戦略

「第2のガラガラポン革命」は、敗戦という誰もが1日にして時代の変化を感じる瞬間があったわけですが、「第1のガラガラポン革命」は明治維新で少しずつチョンマゲを結った武士が力を失い、少しずつ西洋文化との融合が始まり、徐々に徐々に変化していきました。

「第3のガラガラポン革命」も、1日にして、日本が一変するわけではありませんが、2015年を境にすでに至る所で変化が起き始めていることに多くの人が気がついているはずです。そして、東京オリンピックを境にその変化を誰もが疑うことができないほど、大きな変化となって私たちの身に降りかかるはずです。

すでに、年功序列の崩壊、正規社員と非正規社員の格差解消、男女逆転、外国人労働者の登用、難民、業界再編・伝統企業の倒産、スタートアップの興隆、第4次産業革命、交通革命、グローバル化などの変化が起きていると、佐々木紀彦さんは指摘しており、こうした変化が複合的に絡み合うことで「第3のガラガラポン革命」が起きると予測しています。

「第1のガラガラポン革命」「第2のガラガラポン革命」共に新たな時代を作り出したのは、若い世代であり、「第3のガラガラポン革命」も同様に一気に世の中のけん引役が若返り、今の若い世代が世界を動かす中心になっていくのです。

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日本3.0時代の4つの働き方

2020年以降に大きく人々の働き方が変わると至るところで声高に言われていますが、その大きな要因になりうるのが、AIとロボットであることは誰もが異論はないはずです。

オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授は、日本の雇用のうち49%がAI・ロボットに奪われる可能性が高いとしており、これはアメリカの47%、イギリスの35%より高い数値となっており、先進国の中でもトップの数字です。

そうした多くの人が働きを変えていかなければいきていけない2020年以降には、4つの働き方があると佐々木紀彦さんは言います。

(1)グローバルリーダー型|0.01%

日本の約6000万人の労働者のうちの0.01%の6000人ほどが当てはまるだろう、グローバルリーダー型は、知力・体力・精神力・運・人脈まで世界トップレベルが求められます。

(2)ナショナルリーダー型|1%

世界の最前線と言わなくても、日本ではトップレベルの層になりうる人たちが、約1%だと言います。

(3)ローカルリーダー型|9%

日本各地で、リーダーとして、活躍する人たちが、約9%ほどになると予想しています。

(4)普通の人|90%

全ての人がリーダーになる必要はないため、普通の人たちは当然残っていきます。しかし、右肩下がりの日本において、普通の人でいるということは、贅沢などはできず、貧しい先進国の一員として、生きていくことを選択するに他なりません。

こうしてみると、2020年以降のキーワードの一つは、自分から周囲に働きかけていく、リーダーシップが必要不可欠であることがわかります。リーダーシップは、決してAIやロボットに置き換わることがなく、人がやり続ける必要がある仕事であるからです。

しかし、普通の人の90%の仕事は、AIやロボットに置き換わってしまう可能性は、非常に高いのです。

アイデンティティの多様化

佐々木紀彦さんは、「日本3.0」時代は、国家・個人・家族の3つの場所だけでは生きていくことができないと言います。その中間にある、「中間共同体」が必要不可欠です。

会社、地域コミュニティ、宗教、その他あらゆるコミュニティに身を置きながら、アイデンティティを形成しなければなりません。

家・電車・会社の魔のトライアングルの往復だけで、毎日を過ごしているという人たちは、「日本3.0」時代に活躍することができません。

今から、既存のコミュニティ以外の場での自分の居場所を作り、人脈形成、価値観の多様化、そしてアイデンティティの多様化をしていかなければなりません。

読書・レポート・プレゼン

著者の佐々木紀彦さんは、スタンフォード大学大学院に留学している時に、世界のエリートたちと、日本の優等生たちの歴然とした差を感じたと言います。

その一つが、読書量の差です。

アメリカのエリート学生たちは、皆年間最低でも120冊、4年間で480冊の本を読み、レポートを書き、プレゼンテーションを大学生の時から行ってます。しかし、日本の大学生でそこまでの読書をしている人たちは、稀であり、そうした差は社会人になってからも開くばかりです。

日本の小学校、中学校、高校の教育は、世界を見てもとても高いレベルであると評価されていますが、質が悪いのは大学での教育です。高校生までは、世界で戦える頭脳を多くの子供が得ているのに、大学という戦後から全く変わらない教育を続けている負の遺産が、日本の学生の質を下げており、世界から大きく遅れをとっている要因だと言います。

今や、東京大学といえど、世界のトップの大学の滑り止め程度にしか思われておらず、アジアでも中国の大学よりも評価が低くなっているという現状があります。

そうした中で、私たちができることは、圧倒的な読書量を社会人になってからも、維持し続けることしかありません。

まとめ

本書の最後に、佐々木紀彦さんは、今の日本の若い世代たちに次のようなメッセージを送っています。

20代以下の人たちは、完全なネットネイティブであるからこそ、上の世代にはない発想でどんどん世の中を切り開いていってほしい。

(中略)

30代以下の世代が絶対にやってはいけないこと。それは親の言うことを聞くことです。親は「日本2.0」と言う日本の歴史の中でも稀有な時代を生きてきた人たちです。親の価値観に基づいたアドバイスを聞くのは、利よりも害が大きいのです。だからこそ、親を尊敬し、親孝行をしながらも、完全に親離れをしないといけません。

佐々木紀彦|日本3.0 2020年の人生戦略

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佐々木紀彦さんが、『日本3.0 2020年の人生戦略』の中で述べているように、「日本3.0」時代には、国家や会社以外のコミュニティに参加することが必須条件ですが、読書会はそうした新たな自分の居場所を見つけられる貴重な空間です。

そして、世界のエリートたちが年間100冊以上の読書をしており、そうしたエリートたちを世界を舞台に戦うには読書が必要不可欠ですが、読書会は読書習慣を身につけるコミュニティとして、最も適していると言えます。

自分のオススメの本を紹介するタイプの読書会のため、これからの時代に必要不可欠なプレゼンテーション能力の気軽に身につけることができます。会社の仕事の中でのプレゼンテーションはミスをすることは許されませんが、読書会であれば、何度も何度も練習することができますし、会社のように上手くいかなくても怒られるようなことはありません。

また、20代限定で開催しているため、「日本3.0」時代を牽引する若い世代のみが参加しているため、若い世代の価値観を心置き無く共有することができ、これからの時代に必要なたくさんの人脈ができるはずです。

初めて、読書会に参加する方は、緊張されると思いますが、毎回初めて読書会に参加する方が多数いらっしゃいますので、気軽な気持ちでまずは一度ご参加されることをオススメいたします。また、読書会は初参加の方に合わせて進行させていただきますので、ご安心ください。

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